MyCanoe進水式 in 青蓮寺湖
November 2004
ついにカヌーイストの、仲間入りをする日がやってきた。そう今日は、念願のMyCanoe進水式!実は10月の始めに、カヌーは我が家へとやって来ていた。超初心者なのでどなたかに、進水式をご一緒して頂けないかと考えていた。カヌーに興味を持ち始めてから、色々な方とネットで知り合った。が、初めてカヌーに興味を持つきっかけになったHPのオーナーに、カヌー病にかかってしまった責任をとっていただく事にした(笑)。事情を説明すると、快く引き受けてくださった。日程も川も決まって、毎日わくわくしていた。ところが…それほど日ごろの行いが悪いとは思わないが、なんとした事か大型の台風が連続して上陸。予定の日まで少し時間が有ったので大丈夫かと思っていたところ、進水式をご一緒いただく方からメールが。念の為、川を見に行った所、予定の日の進水式は中止にと言う内容であった。予定の川を何度も何度も下った経験を持つ彼が、川の状態、超初心者の進水式、などなどの情報を元に決断を下した。何より、川の周辺住民が普段の生活を取り戻していない現状を憂い、浮かれて川遊びをする雰囲気ではないという事が進水式中止のひとつの判断材料になったと言う事に、とても感動した。進水式の中止は少し残念ではあったが、彼の判断には敬意を表したい。その後、彼とのスケジュールが合わず、進水式が宙に浮いてしまった。
そんな時、同じ進水式を自宅から比較的近い場所でされた方がいた事を思い出し、メールで連絡を取ってみた。すると詳細な地図や彼が行った時の写真が添付されたメールで、細かな情報を提供して下さった。休みの都合上平日になるので、私たちだけの進水式をする事に決めた。場所は、三重県名張の青蓮寺湖。ただし、初心者だけの進水式であるので、風が強くうねりがある時は進水式を中止すると言う条件付きでだ。風とうねりがあまり無ければ、私たちの力量でもカヌーを楽しめると言う判断である。にーおとじろじろを学校へと送り出し、はやる心を抑えつつ、Mamaとコーディーと一路、青蓮寺湖へと向かった。
カヌーを車の上にセットして走り出すが、フロントガラス越しに運転席から見えるカヌーの先端が道路の凸凹や風によって大きく揺れるたびに、思わずアクセルを緩めてしまう。高速道路でも90km/hでの巡航が、精一杯の根性なしドライバーだ。思い出してみると免許を取って間もない頃以来、こんなにゆっくり高速を走った事は、ツートーンの車が近くにいるとき意外はなかった事だ。でもそれがかえってMamaとコーディーには心地よかったらしく車内での会話もはずみ、コーディーもMamaの膝枕でうとうとしていた。2時間ほどの快適なドライブを堪能し、目的地へ到着した。
早速、湖にカヌーを浮かべる事にする。心配していたコーディーも初めこそ戸惑っていたようだが、抱えて乗せてやるとじっと大人しくしていた。さー、いよいMyCanoeの、文字どうり船出の時がきた。バウにMama、スターンにPapaと言うポジションで、パドルを入れる。静かにそして確実に、私たちのカヌーがすべるように湖面を進む。思わず笑みがこぼれる瞬間、待ちに待った瞬間だ。幸い風もほとんど無く、湖は穏やかな表情だった。大人しくしていたコーディーにも、余裕が出てきた。カヌーの中を右に左に移動しては顔をカヌーから湖へと突き出してくる。
たかが犬、されど犬!20kgのコーディーが左右に移動するたびに、カヌーが大きく左右に揺れる。超初心者にとっては、どきどきものの揺れである。「コーディー!じっと!」やっと揺れが収まり、緊張から開放された。それからも時々コーディーは右に左に動いたが、その度に「コーディー!じっと!」と言うMamaのコマンドが静かな湖上に響いていた。背後のコーディーの動きが見えないMamaにとって、いきなり襲ってくる強い揺れがよっぽど怖かったらしい。コーディーのいたずら(?)にも慣れてきて、少しカヌーの練習タイム。向きを変えるには…、出来るだけ大きな円を描くように水面ぎりぎりを漕ぐスウィ-プ・ストロークやったよな…、こうやってっと…、おっ、曲がったぞ!基本中の基本、真っ直ぐに進むのはJストロークやったよな…、こうやってっと…、んっ?これってスターンプライ・ストロークやったっけ?まー、ええやん!取り合えず真っ直ぐに進んだら、Jであろうがスターン・プライであろうが結果オーライや!楽しいねんから、それでええやん!
一度じっくりスクールか熟練者について、特訓する必要があるようだ。(笑)

そこら中に顔を突っ込むから、いっぱいくっついてきちゃった。
途中、上陸できる場所を発見!小休止をかねて、上陸する事にした。コーディーお楽しみの、ノーリードタイム!自由の身が嬉しかったのか、あっちこっち走り回っていた。しばらくして帰ってきた、コーディーを見てびっくり!顔中、くっつき虫だらけ!「もー、いっぱいくっつけてきて!」と言いながら、Mamaが丁寧に顔中にくっついた草の種子を取っていった。まるで、猿のノミ取りみたいだった。ボス猿のノミ取りも終了したので、再びカヌーで湖へ。随分慣れてきて、まったりとした時間をカヌーの上で過ごす事が出来た。ぼーっとしていると風で流されていて、慌てて方向を修正と言う場面も度々あった。が、次第に風に流されるのも、心地よくなっていた。
楽しい時間と言うのは時計の針が回るのが速い様で、そろそろカヌーを陸に上げる時間となった。天気にもコンディションにも恵まれ、まるで貸しきり状態の湖で進水式を終える事が出来た。紅葉には少し早かった様だが、湖上から見る景色はとっても素敵だ。Mamaもここをすごく気に入ったようで、ここには絶対もう一度来ようと何度も言っていた。Mamaの意見に、大賛成だ。ここでもう少しカヌーの操り方を練習して、いつか流れのある川でのリバーツーリングってのをしてみたい。こんな静水ですら、やっと真っ直ぐに進める程度だから、先は長そうだ…。ぼちぼち、楽しむとしましょう。
そこは、枕じゃないんですけど…
シャンパンも特別な儀式もなんにも無い進水式だったけど、私たちには十分な進水式だった。これからもこのオールドタウン・キャンパーとは、長い付き合いになりそうだ。載りきらないくらいの素敵な思い出でこのカヌーがいっぱいになるように、いろんな川に出かけてみたい。みんなが素敵な気分に浸れるようにと、進水式に際して空を見上げて祈った。いよいよ、我が家のカヌーライフの始まりだ。これからの事を思うと、わくわく感でいっぱいになる…。

進水式にあたり、アドバイスや情報を提供してくださった先輩パドラーに心よりの感謝を…。
Special thanks to  akiさん & tahoeさん! 
2004/11/10